日本規格協会はこのJIS K2241の改正の「審議中に特に問題になった事項」について以下のように解説している。
1 平成11年7月にダイオキシン類対策特別措置法が立法されるなど,ダイオキシン類の排出削減対策などが強力に進められている社会環境の中にあって,塩素系極圧添加剤を含む切削油剤については,これを燃焼廃棄する際にダイオキシン類発生が懸念されるとの指摘がなされた。そのような危険性が認識される切削油剤の使用を避けたいとの動きが強まり,最近では,塩素系極圧添加剤に代わり得る性能をもつ添加剤に代替した切削油剤が開発.製造されている。一方,塩素系極圧添加剤が切削油剤の高性能化に威力を発揮し、金属加工業の発展に貢献してきた事実もある。このような状況を踏まえて論議した結果これからの切削油剤の望ましい姿を示す意味において,塩素の含有基準を削除し、塩素を合まない切削油剤のJlSとすることとした。
2 また、現在市場に流通している切削油剤には,技術進歩による油剤形態の変化などに由来してJlS分類に該当しないものが多くなってきており,前回のJlS分類改定時に議論されたところであるが,このような切削油剤がはん用的に使用される状況は好ましくないと認識された。今回のJlS分類見直しに際し、できるだけJIS分類に取り込むように見直すこととした。
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