使用管理の問題点(水溶性切削油剤の場合) |
現象 |
原因 |
対策 |
工作機械、加工部品等に錆が発生した。 |
1. 加工液の濃度が低下している。
2. 加工液のp Hが低下している。
3. 液中の防錆添加剤が消費された。
4. 使用液が腐敗等で劣化している。
5. 工程間の部品の滞留が長すぎる。
6. 近くの酸洗浄タンクよりガスが発生し、これにより曝される。
7. 異常環境下である。
8. 加工部品の洗浄が不充分である。
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1. 濃度測定を行い、適正濃度にする。
2. 防錆添加剤を投入する。
3. 濃度を上昇させる。
4. 使用液を交換する。
5. 錆止め剤を塗布する。
6. 加工後の洗浄を適切に行う。 |
電気系統が故障する。 |
1. 切削油の浸透性が高い。
2. 飛散した切削油に吸湿性がある。
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1. 電気系統に浸透しにくい油剤に変更する。
2. カバー、シール材構造を変更する。 |
エマルションが分離、転相、沈殿物が生じる。 |
1. 希釈方法が悪い。
2. 漏油が多量に混入している。
3. 腐敗している。
4. 希釈水の硬度が高い。
5. 使用中に切削液の硬度が上昇する。
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1. 水に原液を投入し、希釈液を作る。
2. 漏油防止、浮上油を回収する。
3. 防腐剤、もしくは原液を補充する。
4. 新液と交換する。
5. 硬度の低い希釈水に変更する。
6. 分離しにくい油剤に変更する。
7. 定期的に交換する。
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工作機械の塗料が剥離する。 |
加工液中のアルカリ、界面活性剤が塗料に影響を及ぼす。 |
1. フタル酸系の塗料は剥離しやすいのでビニル系かエポキシ系の塗料にする。
2. 塗料に影響が少ない油剤に変える
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泡立ちが激しい。 |
1. 加工液の濃度が高い。
2. 工作機械の構造上、泡立ちしやすい。
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1. 水で希釈する。
2. 消泡剤を用いる。
3. 工作機械廻りもアレンジを変えてみる。
4. 油剤の種類を変える。
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腐敗しやすく、液の交換頻度が高い。 |
1. 加工液の管理が不充分である。
2. 加工液の防腐性が不足である。
3. 漏油、切屑の混入が多い。
4. 工作機械の停止期間が長い。
5. 希釈水が不適当である。
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1. p H、濃度管理を徹底する。
2. 定期的に殺菌剤を投入する。
3. 漏油、切屑の除去装置を付ける。
4. 分離性の優れた摺動面油を用いる。
5. エアブローする。
6. 良質の希釈水を使う。
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加工液が赤色化する。 |
水酸化鉄が生成する。 |
1. 加工の除去、防錆剤の投入。
2. 濃度を用いる。
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フィルターの目詰まりが早い、パイプが詰まる。 |
1. 腐敗が進行し、分離油がヘドロ状の物質になった。
2. 加工液中にカビ、スライムが発生。 |
1. 新液と交換する。
2. 防カビ剤を投入する。 |
シール材が変質する。 |
切削油剤により、シール材が劣化する。 |
ハイニトリル、フッ素系の材質に変更する。 |